4月16日 学校とにわか雨
金曜日は僕が週に一回だけ学校に行く日だ。
少しだけ楽しみだったけれど、やっぱり当日になると憂鬱になってしまう。
天気は曇り。いい天気だ。大好きな天気だ。
少しだけ早く家を出ようと朝起きて決意した。
昼ごはんにナポリタンを作った。何度も作ったナポリタン。手つきはどんどん早くなっていく。味は変わらずいつもおいしい。玉ねぎ、ベーコン、ピーマン。嫌いなものが入っていないのだから、おいしい以外ありえない。
僕が苦手なものは、サツマイモ、カボチャ、ナス、あと辛い物。
サツマイモやカボチャやナスには外見と中身の違いに驚いてから、怖くて食べることができない。そんな視覚的な理由だけで味まで嫌いになってしまった。
人は見た目が大事とは言うが、野菜だって見た目が大事なのだということを自覚してほしい。
そんなこんなしているうちに学校へ行く時間になった。早めに出ると決意した朝の自分を裏切り、いつもの時間に出た。
原付で駅まで向かうときには、音楽を流して向かうことにしている。
「春の歌」、スピッツのこの曲が素晴らしい季節になった。
少しだけ風が寒いし、天気は曇りで暖かくもない。
駅まで向かう道に桜は咲いていない。一輪の花すら咲いていない。
でもこの曲を聞けばどこかから春の風が吹いて春のにおいを感じる。
そんな素晴らしい力が「春の歌」にはある。
駅では一日200円で止めることのできる駐輪場に原付を停めた。
監視をしているおじさんに僕の原付を託した。
電車で大学の最寄り駅まで行く間、本を読んだ。哲学の本。
神の存在を議論する哲学者たちを見た。
日本人に宗教はなじみがないけれど、神の存在を議論することはとってもすごいことなのだ。
たまに、宗教のように何か信じられるものが一つでもある人に対してうらやましいなと感じる。僕には信じられるものが全然ない。何一つない。誰にも頼ることができない。
つまり孤独。
自分の中に一つだけでも信じられるものを持っていたいです。
ああ、神は死んだ。
神を殺したのは人間の心だと思う。
学校についてもみんながみんな就職活動をしていた。
隣に座っていた一度もしゃべったことのない人に
「就活やってる?」
ときかれて、
「やってたらこんな顔していないよ」
というとあまり僕の顔を見たことがないのに、笑った。
誰かが笑顔になるのはいいことだ。
結局今日もみんなが話している就活の話で恐怖で震えてしまうチワワのような僕です。
小型犬が震えているのには理由があるのかよくわかりませんが、僕が震えているのは、就活をやっていないからです。
最近、僕が気持ちを入れて就活をやってみた時に出したエントリーシートの結果が帰ってきています。
合格率は、プロ野球のセリーグのピッチャーの打率くらい低いです。
ほぼ0割です。
どの企業も僕はいらないのです。僕にも僕は必要ないのです。
帰りには餃子の王将に行きました。
学校に行った日は自分へのご褒美で餃子の王将に行くことを先週決めました。
いつも僕が頼むのは天津炒飯大盛りと餃子よく焼き1人前なのですが、やっぱり今日もそれを食べました。
餃子の王将でこれを頼むとオーダーが入ります。
「テンシンソウハンダイイーガー、ヨクヤキコーテルイーガー」
これが僕の注文です。王将は中国語でオーダーを取るのですが、通いすぎて僕も覚えてしまいました。
イーガーは多分一つということでしょうね。
帰りには雨が降っていましたが、カッパを持ってきていたので良かったです。
歩道では傘を差さずに急いで歩く人がたくさんいました。
僕はそれを横目にぶるんと原付を走らせるのでした。
TEMPALAYの曲は雨とも相性がいい。
雨が降って空が真っ暗になっても、川は穏やかに流れています。
いつでも水面のように静かに穏やかにゆーっくりと生活したいです。
こんなことをニーチェが見たらきっと怒るのでしょうが。
明日の朝早くからのバスの時間に合わせて今日は早めに眠る。