鉄骨番長ブログ

好きなものを紹介したり、日々の日記を書いたりしています。水面のように穏やかに生きています。

4月12日 午後

4月12日の午後は温かかったけれど少し風が強かった。

午前中うちに就活と僕が名付けただけの行為、つまりネットサーフィンとテレビを見ること、さらには読書を終えたので、昼からは完全なフリーとなった。

何をしようかと考えてみると朝からご飯を食べていないことに気づいた。大学1年生の時から、今までで五センチ身長が伸びている今が成長期の僕には栄養が足りないのは良くない。そういうことで少し早い夜ごはんを作ることにした。先日、友達とスパイスカレーを食べてとてもおいしかったことを思いだしたので、自分でも作ってみようと思った。

材料は種類が多く、そしてどれも少量でしか販売していないものばかりだった。こんなものを買う僕は相当料理が好きな人だと思われていると思うとレジに並ぶとき緊張した。案の定、家に帰ってから、トマトピューレを買うのを忘れていたことに気づいてもう一度スーパーへ行った。

初めてのスパイスカレー作りはとても骨が折れる作業だった。特に玉ねぎをあめ色にする作業が特に疲れた。玉ねぎを切るときとスラムダンクの最終巻を見るときは必ず涙を流してしまう僕は、もちろん今回も泣いた。

そうして完成したスパイスカレーはとてもおいしかった。これを自分が作ったとは考えられないほど複雑な味の組み合わせで作ることができた。

「米は固めに炊いたほうがいい」というさだまさしの関白宣言を忠実に守っている僕が炊いた固い米はスパイスカレーによくあった。こんなことは人生にこれから先にないだろうが、さだまさしに感謝した。

 

スパイスカレーを食べ終わると8時半だった。おいしくて何時間も夢中になって食べていた。8時半というと散歩に出かけたくなる時間だ。支度をして外に出ることにした。

 

外に出るとやっぱり風が強かった。先日購入した米軍がパジャマとして着ていたネイビーの服が風になびいた。これは僕の悪い癖でもあり、素敵なところでもあるけれど服を買いに行ったときにその服のバックボーンを知ってしまうと必ずと言っていいほど買ってしまう。現に僕が今日きている服は米軍のパジャマと下はイギリス軍の潜水艦の中の人が着ていたロイヤルネイビーコンバットパンツというものだ。アメリカ軍とイギリス軍の服を日本人が着るという戦時中になら即刻非国民扱いされる今日の服装だが、今の日本は平和なものなのでよかったと思う。戦争が始まってしまったら、この服が着れなくなってしまうと思うとやっぱり戦争は良くないものなのだと身に染みてわかる。

 

こういう風に言うと僕がまるでおしゃれであるかのように思うかもしれないが、間違いなく僕はおしゃれではない。先日の飲み会で酔っぱらってしまった僕はみんなに今日の自分の服がかっこいいことを自慢したらしい。誰もおしゃれだとは言ってくれなかった。また友達には僕が一番素敵だと思っている服を普通にダサいといわれた。

それ以来自分の感性は信じないようにしているけれど、やっぱり映画とかを見てボロボロの服をきている人を見るとかっこいいなと思って同じような服を探してしまう。

僕がほとんどそこで服を買う古着屋さんにもあまりなじめていない。米軍のパジャマを買ったときも店の一番前に飾ってあったこの服をみて、「こんなにかっこいい服、今日僕が買わなければ次来たときは売り切れてしまっていますよね。」といったのだが、あまり店員さんは反応しなかった。いつになったら常連みたいになれるのだろうか。

しかし、こんなダサい僕の服装をいつもほめてくれる人がいた。バイト先の先輩だ。その人は僕が着てくる服を見て、「いいね。これどういう服なの?」と聞いてくれて、水を得た魚のようにその服について説明をする僕の話を黙って聞いてくれた。そんな先輩も今年の3月でバイト先を辞めて社会人になった。先輩に見てほしかった米軍のパジャマは誰にも褒められず、春の風になびいたままだ。

 

散歩をしているといつも歩いている道に小さな神社があることに気づいた。軽く参拝をした。参拝をした後にこの神社はいったい何の神様が祭られているのかわからないのに参拝をしてしまったことに気づいた。もしこの神様が踊りの神様で大切な場面で踊りが止まらなくなるという効果を参拝した人に与える神様だったらどうしようと思った。就活の面接などで急に踊りだしてしまう僕を想像して恐くなってしまった。でも今のところ大切な場面が控えていることがないので安心した。

 

道の途中に倒れている茶色い子犬を見つけた。車にでも轢かれたのかと思い、急いで駆け寄るとマクドナルドの茶色い紙袋だった。「I’m lovin' it」と書かれた袋が僕を馬鹿にしていた。

「私はそれが好き」じゃねえよ!

神社に参拝したのに。マクドナルドに少しの怒りを覚えてしまった。

 

都会のほうでは歩道にデザインが施されている。おしゃれにしたいのかもしれないが、僕には文字通り足かせになる。なぜならば僕はいまだに白線を踏まないゲームなどを一人でやるからだ。当たり前のように白い部分を踏んだら死んでしまうというとんでもない罰ゲームを誰に強制されるでもなくわざわざ自分に課して、死に物狂いでゲームをまっとうする。途中で達成した時の成功報酬を考えていないことに気づいて、明日のバイトが休みになるという即興の報酬を用意した。成功しても明日のバイトが休みになるだけ、そして失敗したら死というカイジでもびっくりするような最悪のデスゲームを自ら作り出して参加する僕はカイジよりもよっぽどギャンブラーだろう。都会を一人、鬼の形相で不規則な歩幅で歩く僕はやっぱり変な奴だ。

 

家に帰って哲学の本を読む。

 

何もなかったような1日だったけれど文字にしてしまうと結構長く感じる。白線を踏まずに帰ることができたのに明日はバイトが入ったままだ。自分の心にいる利根川に文句を言いながら今日は眠る。

 

今日の一曲

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